Rogers LS3/5a (65th Anniversary Edition)を買って2週間経つが、とても気に入って熱が冷めない。中古なのだが、保証書を見ると購入日が2021年4月となっていて、前オーナーが割と最近買ったものだということがわかった。ほぼほぼ新品であるが、発売日を考えると10年くらい在庫してあったものと推測される。ちょっと複雑な気持ちではある。
IMG_1980
熱が冷めない理由を考えると、モニタースピーカー然とした音のことはすでに書いたが、学校の放送室の片隅に置いてありそうなノスタルジックなデザインと狭い部屋に合う手ごろな大きさ。そしてRogersのロゴもいい。RogersとかHarbethとかSpendorとか、これらのブランドには、どんな最新のハイエンドスピーカーでも超えられない魅力がある。オーディオを一通り楽しんできて最後にたどり着く場所のような、所有しているとちょっとオーディオマスター的な雰囲気を醸し出せるブランド・・・と勝手に思っている。

しかしである。いくら自分が65thがいいと思っても客観的に見てどうなのか?世間の評判が気になる。特に「Made in China」の烙印は消しようもなく心に引っかかる。65thの発売当時の評判を知りたい。情報が少ない中、そんな思いで探し続けてついに見つけた!
逸品館 製品テストページ
大阪のオーディオ屋さん逸品館のサイトに当時の評価が記載されていた。それにしても65thに限らず膨大なデータ量である。これだけ詳細に音のレポートができるのは並大抵のことではない。頭が下がる。それはともかく、65thの評価であるが・・・以下、引用する。

「Rogers LS-3/5a 65Th Anniversaryは、先に発売されたLS-3/5aのあまりの変貌ぶりにその出来映えをかなり心配していたのですが、予想は良い意味で裏切られオリジナルのLS-3/5aに近い雰囲気に仕上がっていることを確認できました。
サイズを感じさせない高い音楽表現能力、こんなに小さなスピーカーなのにサブウーファーの必要性を感じさせない十分な低域再現能力、演奏をコンパクトにまとめ上げて、リスナーに不満を感じさせない能力などは、オリジナルのLS-3/5aを彷彿とさせるものでした。価格も安く(65Thと比べると同クラスのヨーロッパ製品は割高に感じられます=65Thは安くてもライバルよりも音が良いと考えて頂いて大丈夫です)自信を持ってお薦めできるスピーカーに仕上がっていました。」

他のページでは・・・
「Rogersの名器“LS-3/5A”を可能な限り忠実に再現したのが2011年発売のRogers LS-3/5a 65Th Anniversaryモデルです。
外観やユニットの材質音質などは、可能な限り忠実に再現され入力インピーダンスの11Ω、Bi-Wireに対応している点なども最終モデルのオリジナルLS-3/5/aと同じに仕上げられています。
音質は、オリジナルよりも若干明るく感じられますが、独特の箱庭的な世界観、サイズを感じさせない音楽表現能力はきちんと引き継がれています。この音質なら“レプリカ”を名乗っても全く恥ずかしくないと思います。」

「先に発売されたLS-3/5a」とは60thモデルのことなのか?65thの方がオリジナルに近いとは嬉しいことを書いてくれる。なるほど、なるほど。音の評価は、まさにその通りと思う。価格についても他の製品が足元を見すぎていると私も思う。つまるところ、セールストークを差し引いても、概ね良好な評価で良きレプリカであるといえそう。一安心である。('ω')

それにしても、この記事で気になるのはStirling Broadcast LS-3/5a V2である。値段も高いが、評価としては65thを上回っている感じだ。調べるとStirling Broadcastは、今でも逸品館等で買うことができるようだが・・・Stirling Broadcast LS-3/5a V2についての記事をまたまた引用する。

「Stirling Broadcast LS-3/5aV2は、その外観がオリジナルのLS-3/5aと少し違います。しかし、それはオリジナルを超えるために変更されたと考えるべきです。V2はオリジナルを作った設計者自らが復刻した製品だけあって、外観や音質の変更はすべて「LS-3/5aの正常進化」のためであったと納得させられます。
オリジナルのLS-3/5aも素晴らしいスピーカーでしたが、復刻されたV2はそれを上回るより素晴らしいスピーカーに仕上がっています。オーディオの終着点に相応しい作品、それがこのLS-3/5aV2ではないでしょうか?」

残念ながら、私にはStirling Broadcastに終着点に足るブランド力を感じない。ブランド力の感じ方は人それぞれである。(-.-)